名人戦問題:共催協議へ
《毎日新聞社》 名人戦問題:共催協議、新たな出発点
《朝日新聞社》 将棋名人戦 共催、新たな試み 連盟を支え、条件協議
というわけで、私としては超意外な方向へ。
なんと共催へ向けて走り始めました。
最も難しいのではないか?と思っていた選択肢だけに、今後の成り行きに注目です。
ここで問われるのは、連盟の調整能力ではないでしょうか?
やはり、こういう分野を得意にしてる人材を登用した方が・・・と、おせっかいな事を考えてしまいます。
素人考えでも、観戦記+棋譜使用の問題や、棋戦費用分担の問題、名人戦7番勝負はどちらがどう環境を整えていくのか・・・
企業間の問題で、実際にお金が絡む話なだけに、来年の順位戦開催に間に合うのかどうか気になるところ。
とりあえず、毎日新聞の名人戦棋譜速報 はどのようになるのか?
年末の、順位戦が熱くなる頃に加入しようと思っているのですが・・・
渡辺竜王も、ブログでコメント 出してます。
竜王戦7番勝負、最高の棋譜を期待してますよ!(←名人戦無関係・・・)
9月17日 2回戦第7局
広瀬章人 四段 VS 谷川浩司 九段
解説者:森内俊之 名人
新人の広瀬四段と、NHK講座の講師も勤める谷川九段。
典型的な、新人が重鎮に胸を借りる・・・の図ですね。
こういう対決は実に楽しみ。広瀬四段も、激烈な予選をくぐりぬけ、難敵の阿部八段を退けて、ここまで来ただけに侮れません。
序盤、ちょっとした駆け引きから後手ゴキゲン、先手居飛車模様。
広瀬四段、1回戦は振り飛車でしたが、オールラウンダーなのか相振りを避けたのか・・・
森内名人も度々口に出していましたが、ちょっと指し手がチグハグ。
そのチグハグ振りが最高潮なのが次図。
【第1図】:いろんな意味で驚愕の銀上がり。
名人曰く、「この銀は私は上がりません。」とキッパリ。
確かに、直前の香上がりの穴熊の構想から言ったら、金を上がって穴熊の味を見せたいところ。
この、ちょっと腰が引けたような手から、好調に後手が攻めを継続していきます。
ちなみに、△7二金は佐藤理論に基づく一手だそうで・・・
美濃囲いは堅くないというのがその理論の骨子。なるほど~
“〆( ̄  ̄*) メモメモ
5筋の折衝で、角出を先手が銀で受けたところ。
【第2図】:やって見たい一気の攻め。
ここで森内名人が指摘。
△6六角と角を切り、▲同角に△6八歩!
取りようが無いこういう歩を打てれば、それだけで優勢なのかと思えます。
しかし、谷川九段は一旦自重し、今度は再び飛車で行きます。
仕方の無い▲同角、△同角~△3九角として攻めの継続。
しかし、▲2六飛の受けはなかなか大変。
△5七角成に▲5八金と上がって泣きの受けに入ったところで、森内名人は一旦△5六歩で攻めを続けるのか?・・・と思いきや、△5八馬~△6八金と、強気の寄せ。
「おいおい、▲9六歩でこれ寄るのか・・・?」
って思っていたら、その通りに局面は進み、やはりちょっと容易には寄りそうにありません・・・
継続手が難しい・・・と思っていると。
【第3図】:思いつかなかった・・・
ここでこの角出!
働きそうに無い角と飛車を替えて、これはまたのっぴきならない終盤戦。
3図で、▲4六歩などと受けると5三に引かれ、受けにくい。
しかし、それでもちょっと先手が残してそうなこの局面。
【第4図】:先手最後のチャンスが。
金を当てられて飛車を成りかえったところ。
ここで、ずばり▲7二角成~▲6二金と、ベタっと張り付き、手を渡せば先手勝ちだったのではないでしょうか?
局後、「震えちゃいました。」と広瀬四段が認める▲1八角に、△6三歩と味良くシャットアウトしてゲームセット。
広瀬四段、残念譜となってしまいました。
しかし谷川九段も、やや優勢から一気に寄りきろうとして粘られるあたり、最近の不調が影響してるんでしょうか・・・?
今期も黒星が先行しているだけに、ちょっと気になるところです。
達人戦3連覇の勢いでもって、他棋戦でも活躍しますように!(-m-)”
ちなみに森内名人、トークも解説も去年よりさらに軽快ですね。
なんか期待できる解説者の一人になりつつあります。o( ̄ー ̄)o
【今日の詰将棋】:10分で二段
9月24日 2回戦第8局
野月浩貴 七段 VS 山本真也 五段
解説者:井上 慶太 八段
王座戦 羽生王座が2勝目
第54期 王座戦 五番勝負 《NIKKEI NET 将棋王国》
昨日、王座戦第2局が行われ、羽生王座が2連勝し、防衛へあと一勝としました。
三連敗四連勝はかつてないようですが、2連敗3連勝はあるんですかね??
果たして今回も、佐藤棋聖は3連敗してしまうのか?
次局は、佐藤棋聖の正念場。
ここから3連勝で奪取すれば、恐らくあるだろう「羽生コンプレックス」も払拭されるのでは?と。
漫画「ヒカルの碁」でも、師匠のセリフで
「あんまり相手をスゲェ奴だと思っていると、全然勝てなくなるぞ!」
と弟子を叱責するシーンがありました。何気ないシーンですが、とても印象に残っています。
そうです、相対的なコンプレックスなんです。相手を尊敬するのは。
佐藤棋聖、羽生さん以外の棋士には圧倒的な力を見せているので、羽生さんをギリギリまで追い込み、新たな名局を作って欲しいと思います。
本譜は、角換わり早繰り銀調の序盤から、後手四間飛車で受ける、良く見かける早繰り銀対策。
ちなみに私の場合、この早繰り銀対策に四間飛車に振って、うまく行ったためしがありません!
<( ̄- ̄)> エッヘン!
序盤、△3四歩と打った辺りでは、▲2四歩と強くいくのかと思ったら、あっさり▲2六銀と戻って持久戦調。
佐藤棋聖の、△7五歩から桂を跳ねる構想が秀逸かと思ったのですが、凄い!と思った△7三桂跳ねが棋勢を傾けたようで、ここは9三に跳ねるべきだったと佐藤棋聖の弁。
3六に歩を打たれると、跳ねた桂がちょっと空回り気味。
9三に跳ねておけば、7五飛の味を見せて好調との事でした。
しかし、跳ねた桂は後には引けません。チェスじゃないし。
勢いで跳ねていって、3九角打から5七桂成は良くある手筋。中央突破してさえしまえば、アマ道場将棋なら受け切れなかったりするものなんです・・・
しかし、次の角打が秀逸!
受け一方に金を手放すようでは、佐藤棋聖が苦しいのは明白。
常に一手足りないまま、羽生先生が押し切って勝ちました。
余談ですが、大盤解説で渡辺竜王が言っていた、
「5六の地点は、急所なんですよ。僕はそう思っています。」
「桂は跳ねたく無いんですよ。王手されるじゃないですか。」
と言うセリフ、なんだか参考になります。
こんな貴重なセリフが聞けるのも、日経新聞の特設サイトで大盤解説会の実況中継をしてくれたから。
まるで解説会に出かけたとき、いや、それ以上の臨場感がありました。
優勢なのに苦悩の表情で読みふける羽生王座、劣勢の局面で頭を掻きむしる佐藤棋聖。
実に良いものを見せてもらいましたねぇ。
次局も中継あるんでしょうか?
平日なので、対局終わるまでに帰れるか不安ですが、頑張って定時退社に気合入れて行きたいと思います。。。
ギコチェスと洋書と私
以前紹介した、ボビーフィッシャーのチェス入門 。
読後、なんとなくチェスの基本がわかった気になり、
「チェスは将棋の親戚筋だからね!仕方ないのさ。」
っと意味不明なセリフをぶつぶつと言いながら、寝る前にギコチェス を一局指す毎日。
コンピュータはわりとあっさりと指すので、一局10分ぐらい。お手軽です。
そんなギコチェスとの毎日も昨日まで。
なぜなら、100勝を達成してしまったからです。
証拠がこれ↓
100勝といえば、プロ四段なら五段へ昇段 しちゃうほどの勝ち星。
おまけに後半70勝ぐらいは負けなし。
つーことで、ギコチェスは昨日を持って卒業。
これからは、より高みを目指さねばならないな~と、FICSなるサイト を羨望の眼差しで眺めてみたり。
Yahoo!とかハンゲームとかいろいろありますが、どれもちょっち過疎すぎて・・・
ま、ネットチェスするぐらいなら、ネット将棋はどうなった?という突っ込みもありそうですが。
言ってるだけですんで後勘弁。
近頃、神戸将棋センターも足が遠のく始末です。
そんなこんなで、いよいよチェス棋書も洋書へ!
といか、チェスの棋書なんて日本語の本はほとんどないし・・・
本日はギコチェス卒業記念として、Amazonで詰チェスの本を購入。
届くのは再来週かな?とどいたらレポします。
- A. J. Gillam
- Simple Checkmates
羽生王位3連覇達成!
羽生先生が王位戦を4-2で制し、王位3連覇、通算12期を達成しました!
最強の挑戦者、佐藤棋聖を迎えての防衛戦でしたが、第6局は途中の難しさがウソのように最後は大差に。
戦形は後手ゴキゲン中飛車。
羽生王位は中央から動いていきます。
【第1図】:中央から・・・
この局面見た時は、正直小躍りしちゃいましたね。
実は私、対ゴキゲン中飛車にはいつもこの局面に似た構想で挑んでいるのです。
中飛車には中飛車で。みたいな。
相手の3二金はナカナカ堅固で、2筋を牽制しつつ、5筋、3筋で動いていくような。
で、相手が焦って攻めて来たところをカウンターで玉頭や端攻めを狙っていくのです。
勝率はそんなに芳しくないですが、これ以外の構想にすると、極端に勝率が低くなります・・・
本譜も、5筋の位を一旦取り、すかさず2筋に転換。
この辺の差し回し、参考にさせてもらいます。(* ̄0 ̄*)ノ
この後、猛烈に難しい中盤戦を経て、次の局面。
【第2図】:私的にはまだ難しい・・・( ̄ヘ ̄;)
ここで棋譜のコメントみてびっくり。
「どれで5七の歩を取っても勝ちだが・・・」
もう勝ち?そうなの??
いや、私くらいの実力だと、第2図で大逆転将棋とかで先手持っても、たぶん将棋センター五段の連中に勝ちきれない気がするんですよ。
そんぐらい難しいと思える局面。
さすがプロ・・・としか言いようがありません。
ともあれ、本当にキッチリ寄せて先手快勝。
羽生王位は通算で12期、タイトル獲得数では中原永世十段に並び、歴代2位に。
( ̄ー ̄)//△パンッ:・☆▲∴*:゜★.:。*:・'゜★
次の王座戦、土曜なので中継見てるかも!楽しみです。。。
と、昨日はここまで記事を書きながら、アップできずにいました。
それは、このコメント を見てしまったから。
そう、佐藤棋聖は今期超人的な強さを見せつけながら、羽生先生からタイトルを一つも奪取できていないのです。
ただの一つも!
佐藤棋聖が挑戦する方で考えると、昨年はタイトル戦3連敗。
今年も早くも1敗目。当王位戦は3年連続跳ね返されています。
両者の実力を考えると、そのほんのわずかな差が遠いのだなと。
そんなわけで、昨日はちょっと佐藤棋聖の悔しさを想うと切なくなってました。
そうなると、王座戦は佐藤棋聖に獲って欲しい気もしますが、連続防衛記録は保持して欲しい。
猛烈に複雑な気分で土曜日を迎えそうです・・・