9月17日 2回戦第7局
広瀬章人 四段 VS 谷川浩司 九段
解説者:森内俊之 名人
新人の広瀬四段と、NHK講座の講師も勤める谷川九段。
典型的な、新人が重鎮に胸を借りる・・・の図ですね。
こういう対決は実に楽しみ。広瀬四段も、激烈な予選をくぐりぬけ、難敵の阿部八段を退けて、ここまで来ただけに侮れません。
序盤、ちょっとした駆け引きから後手ゴキゲン、先手居飛車模様。
広瀬四段、1回戦は振り飛車でしたが、オールラウンダーなのか相振りを避けたのか・・・
森内名人も度々口に出していましたが、ちょっと指し手がチグハグ。
そのチグハグ振りが最高潮なのが次図。
【第1図】:いろんな意味で驚愕の銀上がり。
名人曰く、「この銀は私は上がりません。」とキッパリ。
確かに、直前の香上がりの穴熊の構想から言ったら、金を上がって穴熊の味を見せたいところ。
この、ちょっと腰が引けたような手から、好調に後手が攻めを継続していきます。
ちなみに、△7二金は佐藤理論に基づく一手だそうで・・・
美濃囲いは堅くないというのがその理論の骨子。なるほど~
“〆( ̄  ̄*) メモメモ
5筋の折衝で、角出を先手が銀で受けたところ。
【第2図】:やって見たい一気の攻め。
ここで森内名人が指摘。
△6六角と角を切り、▲同角に△6八歩!
取りようが無いこういう歩を打てれば、それだけで優勢なのかと思えます。
しかし、谷川九段は一旦自重し、今度は再び飛車で行きます。
仕方の無い▲同角、△同角~△3九角として攻めの継続。
しかし、▲2六飛の受けはなかなか大変。
△5七角成に▲5八金と上がって泣きの受けに入ったところで、森内名人は一旦△5六歩で攻めを続けるのか?・・・と思いきや、△5八馬~△6八金と、強気の寄せ。
「おいおい、▲9六歩でこれ寄るのか・・・?」
って思っていたら、その通りに局面は進み、やはりちょっと容易には寄りそうにありません・・・
継続手が難しい・・・と思っていると。
【第3図】:思いつかなかった・・・
ここでこの角出!
働きそうに無い角と飛車を替えて、これはまたのっぴきならない終盤戦。
3図で、▲4六歩などと受けると5三に引かれ、受けにくい。
しかし、それでもちょっと先手が残してそうなこの局面。
【第4図】:先手最後のチャンスが。
金を当てられて飛車を成りかえったところ。
ここで、ずばり▲7二角成~▲6二金と、ベタっと張り付き、手を渡せば先手勝ちだったのではないでしょうか?
局後、「震えちゃいました。」と広瀬四段が認める▲1八角に、△6三歩と味良くシャットアウトしてゲームセット。
広瀬四段、残念譜となってしまいました。
しかし谷川九段も、やや優勢から一気に寄りきろうとして粘られるあたり、最近の不調が影響してるんでしょうか・・・?
今期も黒星が先行しているだけに、ちょっと気になるところです。
達人戦3連覇の勢いでもって、他棋戦でも活躍しますように!(-m-)”
ちなみに森内名人、トークも解説も去年よりさらに軽快ですね。
なんか期待できる解説者の一人になりつつあります。o( ̄ー ̄)o
【今日の詰将棋】:10分で二段
9月24日 2回戦第8局
野月浩貴 七段 VS 山本真也 五段
解説者:井上 慶太 八段