30代からの将棋日記 -7ページ目

将棋世界 10月号

将棋世界2006年10月号


将棋世界2006年10月号  目次 《DSショップ》


今月もワクワクしながら購入した将棋世界。

近頃はなかなか内容が充実しています。

気になる記事と感想をつらつらと。

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   これならわかる!最新戦法講義 講師 勝又五段


まずは残念なお知らせ。

いきなり最終回! (/_<。)


唐突じゃぁありませんか。あまりにも。


横歩取りに、2八飛型の相居飛車。

まだまだ最新戦法を解説できてませんってば!


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  渡辺竜王と野月七段が見た王位戦第2・3局


単なる観戦記じゃないかよ!って?

いや、今までの将棋世界の作りなら、第2局は棋譜のみ掲載とかだったんです。


しかし、今回はばっちり第2局にも通常のボリュームで観戦記が!

なぜ、佐藤棋聖が大差で負けたのか?そこに至る解説もあり、アーカイブとしての価値も高まっています。


竜王の解説も、最新矢倉講座のようになっててうれしい限り。


リニューアル前は、結構タイトル戦を棋譜のみで誤魔化したりがありました。

しかり、私自身はアーカイブとしての価値を見て毎月購入している部分もある為、このように全タイトル戦に観戦記が付くのは大歓迎です。


今後、タイトル戦が込み合う時期にどのような紙面配分となるか?そこに注目です。


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 千駄ヶ谷市場 先崎学


王座戦予選の女流×棋士一斉対局の様子、それに将棋の解説をしています。


これを読めば、いかに女流が惜しかったのかがわかり、改めて熱戦だったんだなぁ~とため息。

矢内女流名人の対局はずっと見ていて、途中逆転したと思っていただけに、どこで決め手を逃したのか?何か決め手があったのか?そこらを知りたい!と思っていましたが、これですっきりしました。


やはり、観戦記や解説があると、棋譜の価値が高まりますよね。


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  ”元奨”の真実 今泉健司

奨励会は甘い!と言い切るあたり、元奨励会員の言葉は説得力があります。

大学浪人だって、大多数の浪人生にとっては甘ちゃんの世界ですもんね。

同じようなものだと思います。


でも、「将棋の子」を読むと涙せずにはいられないのです。


“プロ棋士”への道を切望する今泉さん。

出来る事なら、働きながらチャレンジして欲しかったですね。

それなら、二人目も“元奨”か~などとは、言われないだろうと思います。


夢に向かってフリーター化する若手社員は、私の業界にも結構いますが、その後成功したような話は聞いた事がありません。

夢を掴む人は、何をやっていても、どのような状況でも掴むものなのです。


夢に向かう事を言い訳に、進んでフリーター化した今泉さんを、当ブログはあまり応援できません。


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長くなっちゃいましたが、最後に


   名局セレクション


タカミチの熱戦譜コーナーの棋譜は毎月欠かさず並べてましたが、名局セレクションにリニューアル後はなんだか並べる気がしません。

なんででしょうか???


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ま、いろいろ思いつくままに書きましたが、結果は『今月も買い。』って事です。

竜王戦挑戦者決まる!

《竜王戦中継サイト》

《挑戦者決定戦 第2局再現:9月 4日:公式サイト》

《挑戦者決定戦 第1局再現:8月28日:公式サイト》


竜王戦挑戦者決定3番勝負の第2局は、後手番の佐藤棋聖が快勝し、見事挑戦者の切符をつかみました。


3局目まで行くと、個人的には予想していたのですが、佐藤棋聖の勢いは留まるところを知りません。

このブログの上にある、タイトル戦一覧の挑戦者名に、佐藤棋聖が3縦・・・

なんと凄まじい勢いである事か!


前例の無い3連覇への道を阻む為、最強の挑戦者が名乗りを挙げたという感じです。


2局目の見所は、

竜王戦挑決第2局


この図、▲3四歩と怒りの一手(by 中原永世十段)を指したところ。

取れば、3四銀、2四飛の形になり、いかにも後手まずそうな歩。

控え室も、△2二銀としてから△3一飛を狙っていく、そんな予想を立てていたようです。

しかし、49分考えて、一番無さそうな△3四銀!

以下、▲2四馬、△同金、▲同飛。

ここで△2三角と打って受かる!という自信が恐ろしい限り。

微妙なバランスながら、様々な返し技を含んでいて攻め切れません。


以下、佐藤棋聖が完璧に受けきり、丸山九段、無念の投了となりました。


竜王戦開幕局は、10月10・11日、サンフランシスコにて。

こちらも最高の組み合わせが実現しました。


ちなみに、次の局面で「横歩取ったらどうなるんだろう・・・」などと、しょーも無い事で長考したのは内緒です。

(常識の手筋?)

竜王戦挑決第2局おまけ
【地味に悩む・・・】~(-゛-;)~

【追記】:

今、竜王戦ブログを読むと、上の図の▲3四歩が敗着だったようです。

でも、みんな先手好調って言ってたじゃないですか・・・

9月3日 2回戦第5局

藤井 猛 九段 VS 山﨑 隆之 七段
解説者:杉本 昌隆 七段


《棋譜再現》


振り飛車党の総帥、言わずと知れた藤井システムの始祖である藤井九段と、関西の将棋王子こと山﨑七段の一戦。

山﨑七段は、昨年五段だったような気がするのですが、スピード昇段ですねぇ。。。


居飛車VS振り飛車対抗形を予測していたのですが、山﨑七段が△5四歩を見せ、相振り飛車(相三間飛車)に。

途中、機敏な動きで飛車を成り込み、銀桂交換の駒損ながらも優勢に見えた山崎七段。

しかし、一見うまそうな△8四桂打から香得を果たした後、手筋で利かせた▲8二歩に手抜きで△7六歩!




【第1図】:なんたる手抜き!


テレビの前でひっくり帰った瞬間です。

「おわぁ~。玉側の桂を取らせてOKなのか?△7七歩成に▲8九桂ならどうなるんだ??」

と、ハラハラどきどき。

実戦もそのように進み、▲8九桂に△9九竜と、金を払われてしまいます。

この辺り、山﨑七段も相当な誤算だったようです。

8九に打った桂がポンポンと跳ね、8五まで行った日にゃ涙が出てきます。


泣く泣く攻めを催促の△8五角に、▲7二角成と飛び込み、寄せを狙ったところで次図。

△同玉に次の一手は?




【第2図】:駒を使わない寄せ。

ここで、と金を引いて寄せるのが、書籍「羽生の終盤術」に出てきそうな次の一手問題。

このと金を取ると、▲7七桂成~▲7九銀で、一気に寄せられてしまいます。


取れないなら逃げるしかなく、6三~~3三まで逃亡生活に。

最後は、角も受けに利かせ、うっかり変な寄せを敢行すると、7八の銀を取られておかしな事になってしまいます。




【第3図】:最後の決め手は?


第3図のような徹底抗戦の粘りは、私のもっとも苦手とするところ。


しかし、藤井九段はあっさりと▲同竜!

急所に利きそうな角と、寄せに使いづらい竜を交換し、▲2二角と置いて玉を安全地帯へは脱出させません。


唯一の受け、△1二飛に▲3一角成とし、桂を入手するのが最も早い攻め。

以下、いくばくも無く山﨑七段が投了。


観戦時、私は3一角成で▲5五角成を考えていて、これはまだ粘られそうですね。

(x_x;)シュン


感想戦では、△8四桂をしきりに悔やむ山﨑七段。

このあたりは相当楽観していたようです。

藤井九段も、「楽観しすぎだよ。」っと、たしなめておられました。。。


3回戦は、藤井九段VS先崎八段との事で、またもや理論派VS感性派の面白い対局が見れそうです。





【今日の詰将棋】:10分で二段


9月10日  2回戦第6局
久保 利明 八段 VS 行方 尚史 七段
解説者:中田 功 七段

羽生善治の終盤術(1)

評価:★★★★☆

羽生善治の終盤術(1)

羽生善治の終盤術(1)

攻めをつなぐ本 最強将棋21

著者:羽生善治
出版社:浅川書房
サイズ:全集・双書/226p
発行年月:2005年12月




こてくん に贈っていただいた本書。

この他にも、近代将棋誌の大人気付録3部作をいただいたりして、姫路方面に足を向けて寝れない状態です。

その節はありがとう!


で、本書は羽生先生の実戦から厳選した終盤を題材に、次の一手を考える問題。

全体的に、難易度は高いと思います。


あちこちのレビューで悪い評判も聞きますが、私はとても良い!と感じました。

見方を変えれば、羽生先生の実戦のうち、終盤に絞った解説書と言えない事もありません。


私は、若干優勢と感じる終盤を、無理攻めで台無しにする事が多々あるのですが、本書はそんな私に『本筋』とは何か?を指導してくれます。


本書で学習するなら、一回読んだだけでは駄目。

何度か読み返し、盤面を見てその後の展開が閃くようにしたいですね。


一つ気になるのは、最後まで読んだら本を上下逆さまにし、折り返して読むところ。

ボビーフィッシャーの『チェス入門』 形式ですね。


人によっては、猛烈な違和感を感じるでしょう。(私がそうでした。)

しかし、一度読み通せば、これはこれで有りだなぁ~とすっかり慣れた次第。

どうしてもダメ!って人もいるかもしれないので、一気に3冊買ったりせず、一巻を買ってOKなら2,3巻と進むのがお勧め。


こないだ2巻を買ってきてしまいました・・・


あまりこのようなコンセプトの本は無かったように記憶してるので、★5つあげたいのですが、本文に誤記・誤植が多すぎるので一つ減。

浅川書房さんの本は、誤記・誤植が無いと思っていただけに、凄く意外です。

2巻も読んでますが、こちらも誤記が・・・


慌てて出版せずに、もうちょっと校正して欲しかったなぁ~と思います。



最近、ここのブログもわりと投稿事故激減。

ちょっと機嫌が良くなってきました。。。


レビュー書いてて思いましたが、来年神戸を去る前に、こてくんともう一度じっくり将棋を指したいですね。

将棋道場ではなかなか手合が付かないので、スターバックスとか、そこらの喫茶店で。

昨年の初段の私と、今の三段の私。

成長具合を見てくださいね。

王位戦 羽生が3勝目!

第47期 王位戦 七番勝負 《ネット中継:徳島新聞》

《棋譜再現:公式サイト》


2-2のタイ・スコアで迎えた第5局は、羽生王位が大差で勝ち、防衛に向け大きな星をもぎ取りました。


昨日は、途中経過を見てびっくり仰天。




【第1図】:仰天序盤戦

この局面はなんなんですか!

ま、結果から見て、右玉に組みあがれば何事もないのですが、見れば見るほど見た事が無い局面じゃないですか。


早くも佐藤ペースの序盤戦かと思いましたが・・・


穴熊に組みあがった羽生王位も充分の駒組みに。


しかし、佐藤棋聖は5五歩から果敢に仕掛けて行きます。



【第2図】:取れない歩・・・


棒玉で角が睨みあうのっぴきならないこの局面。

▲4五歩と行きますが、すかさず△3四歩の合わせから佐藤陣は防戦模様に。

4四歩と取り込めない歩を突くのはどうだったか?

▲7九飛ではイマイチなんですか・・・



【第3図】:これも取れない・・・


さらに、後手側から△4五歩とされ、この歩も取れないのではさらに厳しい状況に・・・

羽生玉は遠く、右玉ならではのカウンターも放つチャンスが訪れません。


佐藤棋聖も粘りましたが、最後は押し出された形で投了・・・


「佐藤先生相手に、中盤チョイ悪では勝てない」

と言ったのは竜王ですが、中盤から優勢なまま勝ちきる羽生王位の力も恐るべし。

なにせ、鈴木八段は・・・


次局は再来週。


後手番佐藤先生は、やはり何か一工夫してくるのか?

王座戦の開幕も間に挟み、昨年に続いて羽生-佐藤の熱い夏が続きます。


あと、一言だけ言いたいのですが、徳島新聞、実にマイペースな中継サイトで・・・

せめて、対局1週間ぐらい前にはサイトをオープンしてください。。( ̄ヘ ̄;)