王座戦 羽生王座が2勝目 | 30代からの将棋日記

王座戦 羽生王座が2勝目

第54期 王座戦 五番勝負 《NIKKEI NET 将棋王国》

       《棋譜再現:公式サイト》


昨日、王座戦第2局が行われ、羽生王座が2連勝し、防衛へあと一勝としました。

三連敗四連勝はかつてないようですが、2連敗3連勝はあるんですかね??


果たして今回も、佐藤棋聖は3連敗してしまうのか?


次局は、佐藤棋聖の正念場。

ここから3連勝で奪取すれば、恐らくあるだろう「羽生コンプレックス」も払拭されるのでは?と。


漫画「ヒカルの碁」でも、師匠のセリフで

「あんまり相手をスゲェ奴だと思っていると、全然勝てなくなるぞ!」

と弟子を叱責するシーンがありました。何気ないシーンですが、とても印象に残っています。

そうです、相対的なコンプレックスなんです。相手を尊敬するのは。


佐藤棋聖、羽生さん以外の棋士には圧倒的な力を見せているので、羽生さんをギリギリまで追い込み、新たな名局を作って欲しいと思います。


本譜は、角換わり早繰り銀調の序盤から、後手四間飛車で受ける、良く見かける早繰り銀対策。

ちなみに私の場合、この早繰り銀対策に四間飛車に振って、うまく行ったためしがありません!

<( ̄- ̄)> エッヘン!


序盤、△3四歩と打った辺りでは、▲2四歩と強くいくのかと思ったら、あっさり▲2六銀と戻って持久戦調。

王座戦2局目 1図

佐藤棋聖の、△7五歩から桂を跳ねる構想が秀逸かと思ったのですが、凄い!と思った△7三桂跳ねが棋勢を傾けたようで、ここは9三に跳ねるべきだったと佐藤棋聖の弁。

3六に歩を打たれると、跳ねた桂がちょっと空回り気味。

9三に跳ねておけば、7五飛の味を見せて好調との事でした。


しかし、跳ねた桂は後には引けません。チェスじゃないし。

勢いで跳ねていって、3九角打から5七桂成は良くある手筋。中央突破してさえしまえば、アマ道場将棋なら受け切れなかったりするものなんです・・・


しかし、次の角打が秀逸!

王座戦2局目 2図


受け一方に金を手放すようでは、佐藤棋聖が苦しいのは明白。

常に一手足りないまま、羽生先生が押し切って勝ちました。



余談ですが、大盤解説で渡辺竜王が言っていた、

  「5六の地点は、急所なんですよ。僕はそう思っています。」

  「桂は跳ねたく無いんですよ。王手されるじゃないですか。」

と言うセリフ、なんだか参考になります。


こんな貴重なセリフが聞けるのも、日経新聞の特設サイトで大盤解説会の実況中継をしてくれたから。

まるで解説会に出かけたとき、いや、それ以上の臨場感がありました。

優勢なのに苦悩の表情で読みふける羽生王座、劣勢の局面で頭を掻きむしる佐藤棋聖。


実に良いものを見せてもらいましたねぇ。

次局も中継あるんでしょうか?

平日なので、対局終わるまでに帰れるか不安ですが、頑張って定時退社に気合入れて行きたいと思います。。。


《中継スナップショット》
中継3 中継2
中継1 中継4