10月15日 2回戦第11局
中原 誠 永世十段 VS 島 朗 八段
解説者:加藤 一二三 九段
個人的に、待ち遠しかったこの一戦。何が待ち遠しいかって、解説者に決まってます。
われらが「ひふみん」こと、加藤一二三先生。
順位戦も強豪ひしめくB2を、無傷の5連勝と、昇級圏内確保の上り調子っぷり。
さて、本局も出だしから絶好調。対局者じゃなく、解説者が・・・(; ̄ー ̄A
手が当たる当たらないにこだわらず、ひたすら信念を持ってマシンガンのように解説する加藤先生がまぶしかったっす。
さて、島先生の向かい飛車に対し、持久戦調の中原先生。
動きにくくなる前に、積極的に後手から動いて次図。
「ここはですね、3三歩成で同桂に3四歩で先手指せますねぇ。あ、あれ?あれ?2四歩ですか。遅いんじゃ・・・・」
と、2四歩にガッカリ気味の先生。
実際この歩は終局まで2三の地点に取り残され、感想戦でも疑問手とされました。
しかし、それでもまだ後手良しとは断じない加藤先生。
どんどん進み、角筋を活かして後手から手を作っていきます。
第2図を前にして加藤先生、これは参ったなぁ・・・みたいなそぶりを見せたのも束の間。
「銀打には5六金でいいんじゃないですか?2八角成に5七金で、手順に玉も堅いし、これからの将棋ですよ。あ、6八銀成には手順に同飛で先手調子いいです。。。」
と、ほくほくと解説を続けます。
しかし、小考した中原永世十段が指したのは、6四歩!
すかさず加藤先生、「え!あれ?6四歩ですか。おかしいですねぇ?」と首をかしげ、数手進んだ頃には、「中原先生が負けたら、6四歩が敗着と言っていいでしょうねぇ。」と断じます。
実際、形勢はこの6四歩を境目に、急激に傾きはじめ、中原先生の最後のお願いのような攻めを島先生ががっちり受け止めて終局。
終局図からは、まだ手数がかかるものの、後手に寄り付く手がないので一手一手。
本局で一番気になったのは、次図の時の中原先生。
3図の局面で、一旦7三の銀を駒台に載せ、飛車をつまんだかと思ったら、再び9三に置きなおし、銀を7三へ戻したのです。
これって・・・一旦手を離したら、有効手なんじゃないですか?
結局は7三飛成としたものの、取り上げた駒を元に置きなおすのは、プロとしてどうかと思います。
それも、木っ端棋士(失礼)じゃなく、押しも押されぬ永世名人なんですから。
町道場なら、そういうおじさん結構居ますがね。
なんだかちょっぴり残念で、印象に残る事件でした。
さて、そろそろ2回戦も大詰めです。
3回戦以降はトップ棋士、大物棋士が目白押し。お楽しみの下半期ってところでしょうか?
10月22日 2回戦第12局
森内 俊之 名人 VS 堀口 一史座 七段
解説者:中村 修 八段
と言う事で、 来月上旬までは出張の為、散発的な更新になります。
<(_ _)>