10月1日 2回戦第9局 | 30代からの将棋日記

10月1日 2回戦第9局

深浦康市 八段 VS 片上大輔 四段
解説者:北浜 健介 七段


《棋譜再現》


個人的には好きな棋士の一人、誠実な感じが眩しい深浦八段と、お馴染み?東大棋士の片上四段。

ベテラン×若手の構図は、緊張感があって良いものです。


深浦八段としては、初戦はガツンとやっつけて、苦手意識を植え付けたいところ。


戦形は後手番の片上四段が向かい飛車に。

深浦八段は穴熊模様の駒組みに。

先手陣は駒が左に寄った為、向かい飛車の常套手段、4四角~3三桂~2六歩の飛車先逆襲開始。




【第1図】:部分的に、対向かい飛車基本図



1図の局面で私が先手を持っていたのなら、あまり良い気分じゃありません。

どーするのかなぁ~と思って見ていると、▲3九飛と下段へ。


はい、向かい飛車で1図のような逆襲に困っている人は、絶対に覚えておくべき手筋です。

2筋に桂が跳ねてきたら、跳ね違いで5筋にアヤを付けて行こうという事ですね。

3七桂成が飛車に当たらないので、成桂を作って充分の意味。。


この手筋を覚えただけでも、見た甲斐があるってものです。

これを知っているのと知らないのとでは、対向かい飛車で雲泥の差が出てきます。


その後、深浦八段の巧みな応酬で、先手駒得で終盤戦へ。





【第2図】:端の手筋。

ジリ貧を嫌った片上四段が、端に手をつけて次図。

今、香取りに8五へ飛ぶ手を防ぎ、△9五香と途中下車。

ここでも端の手筋、▲9六歩!

ここに後手から先着されると、△9六歩、▲9八歩、△9七歩成、▲同歩、△8五桂・・・ぐらいで一気に難しくなってしまいます。

敵の打ちたいところに打て!で、▲9六歩。

香を引き寄せてから、反撃。9八に歩を打って謝る必要が無いところが自慢です。


この後、後手から猛攻があり、深浦八段が一瞬逆転を喫したかに見えましたが・・・わずかに届きません。



【第3図】:最後の決め手・・・



第3図で、▲9三角成を念じていたら、その通りに!

詰めろの起点になっている9三の歩さえかすめる事ができれば、横に効く駒を渡さない限り安全。


最後は即詰みに斬って落とし、若手を見事に退けました。


さて、この回の解説者は北浜七段。

全体に、カツゼツが悪いこと悪いこと。

何言ってんだかわからないときも。。。


あと、途中で片山四段が逆転気味なら、もっと早めにそう言っておくれ!

深浦八段、読み切りの受けきりだと思って見ていたので、逆転のコメントでびっくりしたじゃぁないですか・・・


ともあれ、本局も深浦さんが使った、、向かい飛車にも7八金型の穴熊含みの囲いは優秀な気がします。

佐藤理論でも、玉の横は金がベストとの事すしね。今度実戦で使ってみることにします。



10月8日  2回戦第10局
中田 功 七段 VS 勝又清和 五段
解説者:鈴木大介 八段