9月10日 2回戦第6局 | 30代からの将棋日記

9月10日 2回戦第6局

行方尚史 七段 VS 久保利明 八段
解説者:中田 功 七段


《棋譜再現》


捌きのアーティストと称され、瀬川氏六番勝負にも登場したのが記憶に新しい久保八段。

片や・・・行方七段は、あんまり印象がないです。。。


解説の中田七段ことコーヤンは、千葉女流王将を正面から粉砕したのが、印象深い一番です。


そんな両者の戦いは、後手番久保八段のゴキゲン中飛車調から向かい飛車に。

この振り直しは、アマで人気の作戦じゃないでしょうか?(私がよくやられる。。。)


行方七段が中央から動いた瞬間に、6九角から金を一枚剥がし、歩を取り込んで次図。



【第1図】:次の一手は、一秒も考えなかった手!

5六の歩を取ると、飛車を先手で回られて5筋が持たない、かと言って他の手も・・・と思っていると、▲3五歩!

これはまったく思いつかない一着。

私も実戦で指してみたいですね!

銀で取っても歩で取っても味が悪い。

事実、△同銀とした銀は、終盤戦をまったく働く事無く役目を終えてしまいました・・・

行方七段恐るべし!




【第2図】:玉頭戦。

一本取ったと思ったら、一本取られた久保八段。

しかし、6八金打~5八歩と、実戦的な手順で先手玉にプレッシャーをかけて行きます。

角をもらったら寄せちゃいますよ!ってな手ですね。

しかし、行方七段、1八に遠見の角を据え、玉頭から押して行きます。


この辺り、行方七段が優勢なのかと思ったら、6八の金が思った以上に厄介で、いつの間にか先手玉が寄せられそうに・・・




【第3図】:先手玉、風前のともしび・・・


第3図では、「おぉ~、さすが久保八段、細い攻めでも寄せきっちゃうんだなぁ~」と思っていました。

なんとなく後手玉寄りそうになかったので、6八歩ぐらいでも参っちゃうかなと。


で、どう指しても良さそうな3図の局面で、△7六桂!と詰めろをかけます。

しかし、これが大トン死の一手!


ここに自分の駒を埋めたばかりに、後手玉に詰みが生じてしまいました。


久保八段、無念の敗退。


7六に駒が無ければ、▲6四桂から入ったときに、△7三玉、▲6三角成、△同玉、▲7二銀、△6四玉、▲6三金、△7五玉、▲6四角に7六へ逃れて不詰み。

本譜はこの筋が消えて、▲8三金打なんてカッコいい手で詰まされちゃいました。


振り返って本譜、ネット上の検討では第3図で△5四歩でも後手勝ちだったとだれかが発言してましたね。

5四歩かぁ~。それもまた凄い手です。


見ている時は、6八歩で勝ちじゃないかと思ったのですが、▲8七金、△7六桂、▲7九金ではっきりしないそう。

う~ん、これほどはっきりしたトン死は、NHK杯では珍しいので、しばらくこの将棋は記憶に残りそうです。


次回、谷川達人が登場。

いよいよNHK杯も盛り上がってきましたね!




【今日の詰将棋】:10分で二段

9月17日  2回戦第7局
谷川浩司 九段 VS 広瀬章人 四段
解説者:森内俊之 名人