第55回NHK杯 一回戦第16局('05年7月17日)
本日は「中川大輔 七段」vs「南芳一 九段」戦
中川七段は、今月号の将棋世界「新手が生まれる時」コーナーで、見事なメンチ切ってるのが印象的。
さすが空手家です。
先手の中川七段が、右四間飛車から馬を作り優勢に。
これは一方的な将棋になったかな?と思いきや、そうはなりませんでした。
【第1図】
<画像クリックで棋譜再現>
玉頭に歩を利かせ、あとはどう寄せるか?と思った図の局面で、中川七段の指した手は▲2五歩。
取ってくれれば手厚い寄せですが、当然手抜きで△2八飛打。
2四歩の取り込みには△3一桂打で受かってます。
続く▲7三角打が私には敗着に見えました。
この角は寄せに働いてません。仕方の無い馬切から7三馬引きで後手に駒が入り、急に先手は危なくなります。
図は▲8六成銀と引いたところ。
ここで、「あ!」と叫んでしまう絶妙の一手がありました。
【第2図】
<画像クリックで棋譜再現>
一目でわかるでしょうか?
この止めの一手で急に先手玉は寄せ形になり、最後は即詰みまで。
南九段の強かった時期を私は知りませんが、今日の対局は強さの一端を充分感じさせるものでした。
まぁ、勝つと思うな、思えば負けよの教訓でもあります。
翻って第1図では、2三歩と緩まず玉頭を叩き、手持ちの角で後手の飛金銀を攻める寄せを目指したいところでもありましたが、どうでしょうか?
中川七段にとっては残念譜となりました。